単焦点眼内レンズとは？
単焦点眼内レンズは、白内障手術で最も一般的に使用される人工レンズです。このレンズは、遠距離または近距離のいずれか一点にピントを合わせる設計になっています。通常、患者さんのライフスタイルに合わせて、遠距離または近距離のどちらかに焦点を合わせるレンズを選択します。
単焦点眼内レンズは保険適用となるため、追加費用なしで利用できるのが大きな特徴です。選択した焦点距離ではクリアな視界が得られますが、それ以外の距離では眼鏡が必要になる場合があります。
多焦点眼内レンズとの違い
単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズは、それぞれ特徴が異なり、患者さんのライフスタイルや希望に応じて選択します。単焦点眼内レンズは1つの距離にのみピントが合う設計で、保険適用となります。一方、多焦点眼内レンズは複数の距離にピントが合いますが、選定療養として追加費用が必要です。
単焦点レンズは、コントラスト感度に優れ、夜間の見え方も自然です。しかし、焦点距離以外では眼鏡が必要になる場合が多いです。多焦点レンズは眼鏡依存度を下げられる可能性が高いですが、ハロー（光のまわりのにじみ）やグレア（まぶしさ）などの症状が出ることがあります。
患者さんの目の状態やライフスタイル、希望に応じて、どちらのレンズが適しているかを慎重に検討する必要があります。医師との詳細な相談を通じて、最適なレンズを選択することが重要です。
単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの主な違いは以下の通りです。
焦点距離
- 単焦点：一点（遠または近）
- 多焦点：複数点（遠・中・近）
クリアな視界
- 単焦点：選択した焦点距離のみ
- 多焦点：複数の焦点距離
眼鏡の依存度
- 単焦点：比較的高い
- 多焦点：比較的低い
コントラスト感度
- 単焦点：良好
- 多焦点：やや低下する可能性あり
夜間視力
- 単焦点：問題なし
- 多焦点：ハロー・グレアが生じる可能性あり
適応範囲
- 単焦点：ほとんどの方に適応可能
- 多焦点：目の状態やライフスタイルによっては不適な場合あり
保険適用
- 単焦点：あり
- 多焦点：原則として保険適用外（一部例外あり）
費用
- 単焦点：保険適用のため低コスト
- 多焦点：追加費用が必要
単焦点眼内レンズが適している方
多焦点眼内レンズが適している方は、次の通りです。
費用を抑えたい方
保険適用のため、追加費用なしで手術を受けられます。
運転をよくする方
遠距離用のレンズを選択することで、運転時の視界がクリアになります。
読書や細かい作業が多い方
近距離用のレンズを選択することで、手元の作業がしやすくなります。
夜間の運転が多い方
単焦点レンズはハロー・グレアが少ないため、夜間の運転に支障が出にくいとされています。
単焦点眼内レンズの特徴
単焦点眼内レンズには以下のような特徴があります。
クリアな視界
選択した焦点距離では、鮮明でクリアな視界が得られます。
保険適用
健康保険の対象となるため、費用が抑えられます。
高いコントラスト感度
物の輪郭がはっきりと見え、コントラストの高い視界が得られます。
単焦点眼内レンズの注意点
単焦点眼内レンズの注意点として以下のような点が挙げられます。
眼鏡の使用頻度
焦点の合わない距離では眼鏡が必要になるため、使用頻度が増える可能性があります。
中間距離の見えにくさ
遠距離用か近距離用かのどちらかを選択するため、中間距離（例：パソコン作業）が見えにくい場合があります。
老眼への対応
遠距離用を選択した場合、近くを見る際に老眼鏡が必要になることがあります。
見え方には個人差がある
手術後の見え方には個人差があり、期待通りの結果が得られない場合もあります。