保険適用の多焦点眼内レンズとは?

保険適用の多焦点眼内レンズは、白内障手術で使用される特殊な人工レンズです。従来の単焦点眼内レンズよりも広い範囲にピントを合わせることができ、多焦点レンズの利点を一部取り入れています。また、単焦点眼内レンズと同等の鮮明度があり、単焦点眼内レンズよりも中間距離の見え方が良いレンズです。しかし、近方は老眼鏡が必要となります。保険適用であるため、追加費用なしで利用できるのが大きな特徴です。
大阪市鶴見区・今福鶴見にある大阪鶴見まつやま眼科では、現在「テクニス アイハンス」と「レンティスコンフォート」を取り扱っております。これらのレンズは、患者さんのライフスタイルや目の状態に合わせて選択することができます。
保険適用の多焦点眼内レンズの特徴
保険適用の多焦点眼内レンズには以下のような特徴があります。
保険適用で追加費用なし
通常の多焦点眼内レンズは高額な自己負担が必要ですが、保険適用の多焦点眼内レンズは単焦点レンズと同じ費用で利用できます。
広い焦点範囲
遠方から中間距離(約60~70cm)までの視力改善が期待できます。これにより、日常生活での眼鏡依存度を軽減できる可能性があります。
不快症状が少ない
従来の多焦点眼内レンズと比べて、ハロー(光のまわりのにじみ)やグレア(まぶしさ)などの不快な光の反射が生じる可能性が低いとされています。
乱視矯正タイプあり
乱視のある方向けに、乱視矯正機能を持つタイプも保険適用で使用可能です。
保険適用の多焦点眼内レンズの注意点
近方視力の制限
近くを見る際の視力には制限があり、細かい作業などでは老眼鏡が必要になる場合があります。
ゴースト現象
稀に、薄い像が重なって見える「ゴースト現象」が発生する可能性があります。
効果には個人差がある
効果には個人差があり、期待通りの結果が得られない場合もあります。
保険適用の多焦点眼内レンズが適している方
保険適用の多焦点眼内レンズが適している方は、次の通りです。
費用を抑えつつ、眼鏡依存度を軽減したい方
通常の多焦点レンズよりも安価で、日常生活での眼鏡の使用頻度を減らせる可能性があります。
遠方から中間距離の視力改善を希望する方

約60~70cmまでの範囲で視力改善が期待でき、デスクワークや料理など、腕の届く範囲の作業がしやすくなります。
従来の多焦点眼内レンズの不快な症状が気になる方
ハロー・グレアなどの光の乱反射が比較的少なく、夜間の運転などでも支障が少ないとされています。
乱視がある方(乱視矯正タイプを選択可能)
乱視矯正タイプを選択することで、乱視の方でも多焦点レンズの恩恵を受けられる可能性があります。
当院で取り扱う保険適用の多焦点眼内レンズ
当院では現在、以下のような保険適用の多焦点眼内レンズを取り扱っています。
テクニス アイハンス
テクニスアイハンスは、Johnson&Johnson社より販売されている単焦点眼内レンズです。レンズの中心部分約2mmに+0.5Dのなだらかな加入部分を有しており、遠方はもちろんのこと、中間距離が従来の単焦点レンズよりも見やすくなるように設計されています。
特徴
- 従来の屈折型・回折型多焦点眼内レンズとは違う、高次収差を利用した新しい多焦点眼内レンズ
- 多焦点眼内レンズと比較してハローやグレアなどの不快な症状が起こりにくい
- 遠方視と中間視の両立が可能
- 保険適用のため、追加費用なしで利用可能
注意点
- 近方視力には制限があり、細かい作業では老眼鏡が必要となる
- 効果には個人差がある
レンティスコンフォート
レンティスコンフォートは、独自の扇形デザインを採用した保険適用の多焦点眼内レンズです。2つの単焦点機構を組み合わせることで、遠方から中間距離(約60~70cm)までの視力改善が期待できます。
特徴
- 加入度数が+1.5Dと低めに設定されており、自然な見え方を実現
- ハロー・グレアなどの不快症状が比較的少ない
- 遠方視と中間視の両立が可能
- 保険適用のため、追加費用なしで利用可能 など
注意点
- 近方視力には制限があり、細かい作業では老眼鏡が必要な場合がある
- 効果には個人差がある など