白内障の日帰り手術について

白内障の日帰り手術は、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズに置き換える手術です。大阪市鶴見区・今福鶴見にある大阪鶴見まつやま眼科では、患者さんの負担を軽減し、早期の回復を目指す日帰り手術を提供しています。
白内障とは?
白内障は、加齢や紫外線などの影響で目の中の水晶体が濁る病気です。進行すると視力が低下し、日常生活に支障をきたす可能性があります。早期発見・早期治療が重要です。
白内障の主な症状
手術を検討するタイミング
以下のような症状や状況がある場合、手術を検討するタイミングと言えます。
日常生活に支障が出ている
テレビの字幕が読みづらい、本の文字がぼやけて見える、夜間の運転でまぶしさを感じるなど、日常生活に支障が出始めたら手術を検討しましょう。
視力が0.7未満になった
運転免許の更新には0.7以上の視力が必要です。仕事や趣味で運転が必要な方は、この基準を目安にしてください。
白内障の進行が早い
定期検査で白内障の進行が早いと判断された場合、早めの手術を検討する必要があります。
他の眼疾患がある
糖尿病網膜症など他の眼疾患がある場合、白内障手術を先延ばしにすることでリスクが高まる可能性があります。
職業上の必要性
精密な作業や安全性が求められる職業の方は、軽度の視力低下でも仕事に支障をきたす可能性があります。
入院手術と日帰り手術の違い
白内障手術には、入院手術と日帰り手術の2種類があります。手術の内容自体に大きな違いはありませんが、患者さんの状態や希望に応じて最適な方法を選択します。
入院手術
入院手術は、手術後に病院に宿泊し、医療スタッフによる24時間の管理を受けられるのが特徴です。術後の安静が取りやすく、急な症状の変化にも即座に対応できるため、持病がある方やご高齢の方に適しています。また、両目の手術を短期間で行う場合にも選ばれることがあります。
一方で入院費用がかかることや、慣れない環境での滞在によるストレスが生じる可能性があることがデメリットとして挙げられます。
入院手術の特徴
- 24時間の医療管理が可能
- 術後の安静が取りやすい
- 入院費用がかかる など
日帰り手術
日帰り手術は、手術当日に帰宅できるため、患者さんの負担が少なく、日常生活への復帰が早いのが最大の利点です。入院費用がかからないため、経済的な負担も軽減されます。また、自宅で過ごせることによる精神的な安心感も大きなメリットです。
しかし帰宅後の急な症状変化への対応が遅れる可能性があることや、自己管理が必要となるため、患者さんご自身やご家族のサポート体制が重要になります。
日帰り手術の特徴
- 当日に帰宅できる
- 日常生活への復帰が早い
- 入院費用がかからない など
患者さんに最適な方法を提案
当院では患者さんの年齢、全身状態、眼の状態、生活環境などを総合的に判断し、最適な方法をご提案しています。例えば全身状態が安定している方や、ご家族のサポートが得られる方には日帰り手術をおすすめしています。
一方、高血圧や糖尿病などの持病がある方、ご高齢の方、両眼の手術を予定している方には、状況に応じて入院手術をご提案することもあります。
白内障の検査
白内障の診断と最適な手術計画を立てるために、以下の検査を行います。
眼底検査(※散瞳が不要)

当院では超広角眼底カメラを使用しているため、瞳孔を広げる目薬(散瞳薬)を使わずに目の奥(網膜や視神経)の状態を広範囲に観察できます。検査は短時間で終わり、検査後すぐに日常生活に戻れるのが特徴です。散瞳による不快感や視界のぼやけがないため、検査後に車の運転も可能です。
白内障以外の眼疾患の有無を確認し、術後の視力改善の見込みを予測するのに役立ちます。
視力検査
裸眼視力(眼鏡やコンタクトレンズを使用しない状態での視力)と矯正視力(眼鏡やコンタクトレンズを使用した状態での視力)を測定します。視力の程度は手術の必要性を判断する重要な指標となります。
屈折検査
近視、遠視、乱視の程度を正確に測定します。手術後に使用する眼内レンズの度数を決定する際の重要な情報となります。
細隙灯顕微鏡検査
特殊な顕微鏡を使用して、目の前部(角膜、虹彩、水晶体)を詳しく観察します。水晶体の濁りの程度や位置を確認し、白内障の進行状態を評価します。
角膜内皮細胞検査
角膜の最内層にある内皮細胞の状態を観察します。この細胞は手術による影響を受けやすいため、手術の安全性を判断する上で重要です。
角膜形状解析
角膜の曲率や不整を詳細に測定します。乱視の程度を正確に把握し、適切な眼内レンズを選択するのに役立ちます。
眼軸長測定
眼球の前後の長さ(眼軸長)を測定します。この測定値は、眼内レンズの度数を決定する上で最も重要な要素です。正確な測定により、術後の良好な視力が期待できます。
光干渉断層計(OCT)検査
網膜の断層画像を非侵襲的に撮影します。網膜の詳細な状態を観察し、黄斑部の異常や他の網膜疾患の有無を確認します。手術の適応や術後の視力予後を判断する上で重要です。
白内障の日帰り手術
白内障の日帰り手術は、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズに置き換える手術です。当院では、患者さんの負担を軽減し、より良い視力回復を実現するため、高度な技術と機器を用いた日帰り手術を提供しています。
手術の内容・流れ
STEP 01
目の表面に極小の切開を施す
手術では、まず目の表面に極小の切開を施します。当院で使用している先進的な手術機器(センチュリオン:CENTURION Vision System)により、切開を約2.4mmと非常に小さくすることが可能です。小さな切開は術後の回復を早め、合併症のリスクを低減します。
STEP 02
濁った水晶体を細かく砕く
次に、超音波技術を用いて濁った水晶体を細かく砕き、吸引除去します。この過程では、眼圧を常に安定させる機能を持つ手術装置を使用しているため、患者さんの負担を最小限に抑えることができます。
STEP 03
人工眼内レンズを挿入
水晶体を除去した後、折りたたんだ状態の人工眼内レンズを挿入します。レンズは目の中で広げられ、元の水晶体があった場所に固定されます。
当院では患者さんの目の状態やライフスタイルに合わせて、単焦点レンズから多焦点レンズまで、様々な種類のレンズを取り揃えています。
STEP 04
手術時間は10分程度
手術時間は通常10分程度で、局所麻酔を用いるため痛みはほとんどありません。日帰り手術のため、術後は回復室で短時間の休憩を取った後、その日のうちに帰宅することができます。
単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズ
単焦点眼内レンズ
1つの距離にピントを合わせるレンズです。遠くか近くのどちらかに焦点を合わせます。保険適用で、比較的安価です。
多焦点眼内レンズ
遠近両方に焦点を合わせられるレンズです。眼鏡に頼る機会が減りますが、選定療養となるため費用がかかります。
保険適用の多焦点眼内レンズ
近年、一部の多焦点眼内レンズが保険適用となりました。当院では「レンティスコンフォート®」などの保険適用の多焦点眼内レンズを取り扱っています。これらは従来の単焦点レンズより広い範囲にピントを合わせることができます。
当院の白内障の日帰り手術のこだわり
高性能な手術機器
当院では、「センチュリオン(CENTURION Vision System)」を導入しています。この装置には手術中の眼圧を常に監視し、安定させる機能が備わっていますこれにより、患者さんの負担を大幅に軽減し、より安全で正確な手術が可能となります。
経験豊富な医師
当院の院長は、大学病院や基幹病院での豊富な手術経験を有しています。新しい技術や知識を常に学び、それを実践に活かしています。複雑なケースにも対応できる技術を持ち、患者さんお一人おひとりの状態に合わせた最適な手術を提供します。
白内障と緑内障の同時手術「iStent inject W」
白内障と緑内障を併発している患者さんには、必要に応じて同時に手術を行うことができます。「iStent inject W(白内障手術併用眼内ドレーン)」という極小のデバイスを用いることで、白内障手術と同時に緑内障の治療も行えます。これにより手術回数を減らし、患者さんの負担を軽減できます。
術後ケアと注意点の徹底サポート
手術後の経過を細やかに観察し、感染予防や日常生活の注意点を詳しく説明します。後発白内障などの合併症にも早期対応できるよう、定期検診を重視しています。
若年性白内障にも対応
近年増加傾向にある若年性白内障に対して、当院では豊富な治療経験を活かした専門的なケアを提供しています。アトピー性皮膚炎や強度近視など、様々な原因に対応し、40~50代の方々にも適切な診断と治療を行っています。
若年性白内障は進行が早いため、早期発見・早期治療を重視し、定期的な検診を推奨しています。患者さんの年齢やライフスタイルに合わせた眼内レンズの選択、術後のケアまで、きめ細かにサポートいたします。働き盛りの方々の心理面にも配慮し、安心して治療に臨めるよう努めております。
眼科検診で早期発見
白内障は初期段階では自覚症状が乏しいため、定期的な眼科検診が早期発見の鍵となります。そのため当院では、年1回の定期的な眼科検診をおすすめしております。早期に白内障を発見することで、進行を遅らせる対策を講じたり、最適なタイミングで手術を計画したりすることができます。