白内障の日帰り手術の注意点

白内障の日帰り手術は、多くの方が不安を感じる目の手術ですが、実際には外科手術の中でも比較的安全な手術の一つです。年間数十万人もの方が受けられる一般的な手術で、手術時間も短く、多くの場合、日帰りで行うことができます。
多くの患者さんが「もっと早く受ければよかった」とおっしゃるほど、手術後の見え方の改善に驚かれます。白内障が進行すると手術のリスクが高くなる可能性があるため、症状がある程度進んだ段階で手術を検討するのが良いでしょう。
大阪市鶴見区・今福鶴見にある大阪鶴見まつやま眼科では、大学病院と同等の機器を使用し、経験豊富な医師が手術を行います。クリニックと病院での手術の内容に大きな差はなく、むしろ日帰り手術のメリットを活かせる場合も多いです。
安心して手術に臨んでいただけるよう、手術前後の注意点をお伝えいたします。
手術前の準備
- 手術3日前から、指示された抗菌点眼薬を使用してください。正しく点眼できていない場合、感染症のリスクが高くなるため、手術を中止させていただくことがあります
- 手術当日はお化粧はせずにお越しください
- 普段通りの食事を摂り、常用薬がある方は通常通り服用してください。ただし、昼食は軽めにしてください
- 来院の1時間前からは、飲食や飲水をなるべく控えてください
- 動きやすい服装でお越しください。上着は前開きのものが便利です
- 指輪・時計などのアクセサリーは外してきてください
- 入れ歯は外していただきますので、容器をお持ちください
など
手術当日の流れ
- 手術の順番が来ましたら、手術室へご案内いたします(お手洗いはお済ませください)
- 手術時間は、準備を含め約20~30分程度です
- 手術は局所麻酔で行います
- 手術中は、顔や体が動くと危険です。目を動かさないように、目の前にある光を見つめていてください
- 強い痛み、気分が悪い、咳が出そうなど、何かございましたら声に出して知らせてください。急に動かないよう注意してください
- 手術中に「下を見てください」や「右を見てください」と、声をかけることがあります。その時は、お顔を動かさずに目だけを動かしてください
など
帰宅後の注意点
- 手術した目に眼帯をつけて帰宅していただきます。翌日の診察まで絶対に外さないでください
- 帰宅後1時間は、なるべく安静にしてください
- 手術当日と翌日は、ご本人の運転による来院はお控えください
- 手術翌日の9時(木曜)、2日目の9時(金曜)に、必ず受診してください
- 手術後1~2か月は点眼を続けますので、自己判断で点眼を止めないよう注意してください
など
手術後によくある症状
目の充血・異物感
手術後に多少の充血・異物感があります。徐々に改善していきます。
飛蚊症
目の前に黒い虫が飛んでいるような症状を自覚することがよくあります。多くの場合、時間とともに改善します。
後発白内障
白内障手術後、早くて数か月後から起こることがあります。視力が落ちてきたら、レーザー治療で改善できます。
その他
傷口がしっかり治るまでは安心せず、医師の指示に従って清潔にしてください。急激な痛みや視力低下、充血が強くなるなどの症状がある場合は、早めに受診してください。
何かわからないことや不安なことがありましたら、決して自己判断せず、クリニックへご確認ください。ご不明な点は遠慮なく、医師・スタッフにお尋ねください。
手術後の生活について
水分・食事
手術後すぐに水分をとっても構いません。食事は手術1時間以降にとってください。お酒は手術後3日間控えてください。
洗顔・洗髪・入浴
手術して3日間は避けてください。4日目から可能ですが、目に水が入らないよう十分注意してください。
シャワー
手術翌日から、首から下のシャワーは可能です。目に水が入らないよう注意してください。
歯磨き、ヒゲ剃り(電気シェーバー)
手術当日からかまいません。
仕事
軽作業の仕事は手術翌日からかまいませんが、埃が多いところでの作業は控えてください。重労働や屋外での仕事は7日間は避けてください。
運動
ストレッチなど軽い運動は3日間控えてください。激しい運動(汗をかくこと)は7日間避けてください。
目の使用
手術翌日の診察後に眼帯が外れましたら、テレビ・読書・携帯などを見ていただいてもかまいません。
手術後の回復期間中の注意点
手術後の回復期間中は、以下の点に注意して日常生活を送ってください。
手術当日
安静にお過ごしください
手術翌日から可能なこと
- 歩行
- 読書
- テレビ視聴
- 歯磨き
- ヒゲ剃り(電気ヒゲ剃りのみ)
- 首から下のシャワー
- 家事
- 軽作業の仕事
- 美容院などでの仰向けシャンプー(シャンプーや石鹸が目に入らないよう注意)
- 透明ゴーグルの着用(1週間継続してください)
など
手術後4日目から可能なこと
- 洗顔
- 自己洗髪
- 入浴(シャンプーや石鹸が目の中に入らないよう十分注意)
- パーマ
- 化粧
- 飲酒(適度な量を心がけてください)
など
手術後8日目(1週間後)から可能なこと
- 重労働や屋外での仕事
- 運動(ジョギング・ゴルフなど)
- 車の運転
- 自転車の使用
など
保護眼鏡について
白内障手術は短時間で終わる安全な手術ですが、術後のケアが非常に重要です。特に手術直後から1週間は最も注意が必要な期間となります。この期間、傷口がしっかり固まっていないため、一時的に傷が開いてしまうことがあります。
そのため、以下の点に注意し、保護眼鏡の使用をお願いしています。
- 外出時や就寝時には必ず保護眼鏡を着用してください。これは、目元に触れたり異物が入ったりするのを防ぐためです
- 保護眼鏡は就寝中にも装着し、目元を触ったり擦ったりするのを防ぐ効果があります
- 当院では「メオガードネオ24」という保護眼鏡を推奨しています。これは通常の眼鏡のツルをベルトと交換できる白内障手術後専用の保護眼鏡で、昼夜を問わず24時間の使用に適しています
- 当院推奨の保護眼鏡です。同等の保護眼鏡をお持ちでしたら当院での購入は不要です
手術後の点眼薬について

手術翌日から、感染予防と術後の炎症を抑えるための点眼薬を処方します。3種類の目薬を決められた回数、それぞれ5分程度間隔をあけて点眼してください。医師の指示通りに、1~2か月は点眼を続けてください。自己判断で点眼を止めないようご注意ください。
処方される点眼薬は以下の通りです。
クラビット点眼薬(抗菌点眼薬)
感染予防のため、1日4回(朝・昼・夕・夜)使用します。
リンデロン点眼薬(ステロイド点眼薬)
炎症を抑えるため、1日4回(朝・昼・夕・夜)使用します。
※リンデロンがなくなれば、フルメトロン点眼薬に切り替えます
ブロナック点眼薬(非ステロイド点眼薬)
炎症や痛みを抑えるため、1日2回(朝・夜)使用します。
点眼の注意点
点眼の際は以下の点に注意してください
- 清潔な手で行ってください
- 目やまつ毛に点眼びんが触れないよう注意してください
- 点眼の順番はどれからでも構いませんが、それぞれの点眼薬の間は5分程度間隔を開けてください
など
これらの点眼薬は術後の回復に重要な役割を果たします。医師の指示通りに使用し、決して自己判断で中止しないようにしてください。点眼に関して不明な点がある場合は、必ず医師やスタッフにご相談ください。